【徹底解説!】行政書士試験に独学で合格するノウハウの全て|平凡な自分でも合格できた
- 行政書士試験に独学で挑むか迷っている
- 実際に独学で合格した人の情報・経験談を知りたい
- 独学合格のコツを知りたい
行政書士試験合格を目指すときに独学で頑張りたいと思う人は多いですよね。
でも予備校通いを選ばずに独学を選んだら合格できないのではないかと不安に感じる人も多いはずです。
私は法律全般まったくの初心者の状態で独学で挑んで行政書士試験に合格しました。
行政書士を独学合格するのは難しいとネットを検索すると良く出てきますが惑わされる必要はありません。
私は特別頭がいいわけでもありませんし怠けがちな性格ですがちゃんと独学で合格できました
そこでこの記事では平凡な私でも合格できた独学合格を目指すノウハウを全て解説します。
私の経験を凝縮しましたので、独学で合格を目指したい方は最後まで読んでいただければと思います。
- 独学でも合格は狙える
- 法律初心者でも合格は狙える
- 独学向きの人はほどほどにコツコツ計画的に取り組める人
- 独学は圧倒的に費用を抑えられる
- 使うべき教材の種類とおすすめ
- 最小の労力で合格するスケジュールの立て方と学習計画
- 時間を捻出するアイディア、モチベーションを維持するアイディア
- 順調ではなかった自分の体験記
- 行政書士の魅力は扱う業務の幅と多様な働き方
くろまる
Profile
30代男性サラリーマン
まったくの法律初学者の状態から独学で行政書士試験に合格しました。
勉強は苦手でも仕組化して何とか粘って頑張るタイプです。
保有資格(試験合格含む)
▶行政書士試験合格
▶宅地建物取引士試験合格
▶日商簿記検定2級
▶ビジネス実務法務検定2級
- 行政書士試験合格証を見る
独学でも合格できるレベルの試験なの?
難易度は高いが無理ではないレベル
行政書士試験の合格率はおおよそ10~13%となっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
令和4年度 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
令和3年度 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
令和2年度 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
令和元年度 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
行政書士とよく比較される宅建士の場合は合格率が約17%程度となっていますので、比較的難易度は高いと言えます。
また宅建士の場合は不動産関連の会社では取得を推奨されているので、社員をまとめて受けさせている場合があるなど本気度があまり高くない人も一定数います。
宅建士は本気度がバラバラの多くの人が受験しての合格率17%なので、行政書士との難易度の差は数字以上に大きいと考えられます。
やっぱり行政書士って難しいから誰かに教えてもらった方がいいんじゃない?
合格率のみ見るとそのように感じるかもしれませんが、独学でも合格ラインを狙うことができます
それは行政書士試験の問題の性質的に独学でも対応しやすいレベルだったり、独学のメリットを活かしやすい資格だからです。
合格率が低い=通学だけではなく他の面も考えてみるとより自分にあった勉強法を選択できると思います
独学でも合格可能な理由は実はたくさんある
独学で行政書士を目指すことができると思える理由は大きく以下5つあります。
- 平凡&初学者の私でも努力次第で合格できたから
- 教えてもらわないと理解できないレベルの内容は想像ほど多くはないから
- 市販のテキストや問題集でしっかり合格点を狙える内容になっているから
- 独学だからこそのメリットがあるから
- 通学・通信講座でも自分で学習する習慣がないと結局合格できないから
この5つの理由の詳細は以下の記事で解説しています
他の難関国家資格に比べても根気強く勉強を続けることができれば独学でも合格ラインに届く可能性が高いと思います。
私の他の試験に挑んだ実体験からも行政書士は独学で挑めるラインにあると実感しています
私は行政書士試験合格後に社会保険労務士の勉強を独学で挑みましたが挫折しました。
あまりにも細かく高度な労働・保険関係の法律知識を要求され、どこに強弱を入れていいか分からなかったのです。
行政書士試験は細かく専門的な法律知識を要求されるというよりは、広く一般的な法律知識を問われるので独学でも挑める内容だと感じています。
その背景として行政書士は「まちの法律家」と呼ばれるように広い範囲の許認可を代理申請できる性質上、対象の法律範囲も広くなっているのが要因と言えます。
もちろん行政書士は決して簡単な試験ではありませんので根気強く頑張る必要がありますが、そもそも独学は無理という資格ではありません
初心者であっても合格可能
行政書士試験を受験者というと法律関係の仕事に就いているか、学生時代に法律の勉強をしていた人が多いイメージだと思います。
法律知識がない&独学でも合格って目指せるのかしら
自分は法律の基礎知識がまったくない状態から合格しました、初心者からでも合格を目指せます
法律は全体像をイメージできると初心者でも理解しやすい
私もそうでしたが初心者の人が最初に不安に思うことは「法律というものがそもそもよく分からない」「難しい法律の話を理解できるのか」という点だと思います。
自分が独学で行政書士を学び始めたとき、がむしゃらにテキストの内容を頭に入れようとしました。
しかし難しい法律の表現や聞きなれない法律用語に戸惑ってなかなか理解できませんでした。
ですが法律の仕組みや構造を頭の片隅でイメージするとだんだんとすんなり理解できるようになっていきました。
法律にはこういう特徴がある!と思うだけで難しいと思っていた法律のハードルがぐっと下がりますよ
行政書士で学習する法律は、基本的には誰かと誰かで利害がぶつかった時にどちらの利益を大事にしてどのように解決していくかを取り決めたルールが主なものです。
それが国と人なのか人と人なのか、対象となる利益は何なのかで変わりますが、「大枠はだいたいこんな感じだよね」とイメージが持てると法律との距離がぐっと近づきます。
最初のとっかかりの法律を分かりやすく理解すること、初心者が取るべき戦略についての詳細記事は以下でまとめています
行政書士の独学で合格までにかかる時間
行政書士を独学で目指すとした場合に合格までにどれくらいの時間が必要なの?
- 法律初心者でない人:1,000時間程度
- 法律初心者の人:1,200~1,300時間
行政書士試験の勉強時間を検索すると600~1,000時間あたりと書いてあるのをよく見かけます。
行政書士試験には法律関係の仕事に従事している人や、司法書士や司法試験を目指す過程で試験を受ける人、通信や通学の人もいます。
このような人たちや独学者を含めた全体を平均して600~1,000時間になるので、独学の人は1,000時間以上勉強する可能性があります。
法律初学者の私の場合はだいたい1,300時間程度は勉強していました
勉強時間だけを見ると大変だと思うかもしれませんが、それだけ合格した時のうれしさも大きくなります。
私の場合は法律がまったく分からないからこそ合格すれば新しいスキルが得られるという思いをモチベーションにして頑張りました
また、独学の人は通学の人たちと比べてどうしても時間がかかるので、効率的な学習計画やスケジュールの組み立てが他の受験生よりも重要な取り組みになってきます。
時間がかかる初心者だからこそいかに少ない時間で合格ラインまで近づけるかが合否を分けるカギになってきます。
独学で合格しやすい人の特徴
こんな特徴がある人は独学で合格しやすいタイプだと思う内容をまとめました。
当てはまる部分が多ければ独学での成功確率は上がりますが、当てはまらないと感じる場合は通学という選択肢も見えてきます。
ぜひ役立ててもらえたらと思います。
私も全て完ぺきではもちろんないので、そこそこ大丈夫そうかな?という目線で見てもらえたらと思います
- 十分な時間を使って無理のない学習計画を作れる
- 自分で決めた学習計画を守れる
- 合格に必要な時間を捻出できる
- 完璧主義過ぎない
- ほどほどのやる気を長期間継続させることができる
十分な時間を使って無理のない学習計画を作れる
予備校や通信教育のように独学は事前にカリキュラムが決まっていません。
試験時に合格ラインに届くことから逆算して必要な学習計画を立てる必要があります。
テキストを開いていきなり勉強スタート!ではなく、じっくり現実的な学習計画を立てられるかが独学成功の大きなカギとなってきます。
自分で決めた学習計画を守れる
学習計画を前倒しできる人はめずらしく、多くの場合後ろ倒しになりがちです。
学習計画から遅れても独学の場合は誰も指摘してくれないので自分でコントロールしていくしかありません。
無理のない学習計画を組みそれを無理なく守って進めていく、これを毎日淡々とこなしていく必要があります。
合格に必要な時間を捻出できる
学習計画を組むと合格に必要な時間がおおまかに計算できます。
試験日1年前に勉強を開始し1,000時間勉強が必要な場合、1日平均2.5~3時間ほどの勉強が必要になります。
社会人で仕事が忙しい人ほど時間の捻出に力を入れる必要があります。
完璧主義過ぎない
独学で意外と大事になるのが「完璧主義過ぎないこと」です。
独学ではテキストや問題集で理解できないと直接誰かに確認できないので、延々と時間をかけてしまう場合があります。
学習計画が遅れるほど悩む場合はいったん飛ばして、後で復習するなど柔軟に対応する必要があります。
ほどほどのやる気を長期間継続させることができる
行政書士試験の勉強は1年近くかかります。
長距離マラソンのようなものなので全力のやる気は長く続きません。
独学はやる気が出ないと恐ろしいほど勉強が進みませんので、いつもほどほどで頑張り続ける必要があります。
学習計画や時間確保などの戦略は記事の後半で解説しています
独学・通信・通学のメリットデメリットと特徴
独学を検討するときは他の学習方法とよく比較してから決めるのがいいでしょう。
自分に合っていない学習方法を選んだことが原因で挫折してしまうということはありがちなケースです。
独学が自分に合った学習方法か客観的に検討できますのでお役立てください
勉強方法は大きく分けると独学・通信・通学かの3パターンがあります。
それぞれの特徴をトレーニングで例えるなら以下の通りです。
独学は個人である程度自由に決めて頑張る人に向いていて、通信→通学になるほど誰かに都度サポートして教えてもらいたい人に向いています。
独学の最大のメリットは何といっても費用を抑えられることですが、誰かに教えてもらえることもなく、分からない時のサポートもありません。
もう少し細かく学習法のメリット・デメリットを見ていきましょう
独学は費用を抑えられるメリット以外にも自分の都合に合わせた学習を行うことができるので、仕事が忙しい人や自分のペースで学習したい人に向いています。
一方で孤独な戦いなのでサポートはなく強制力もないのでモチベーションが下がりやすいデメリットがあります。
もし費用をもう少し捻出できるであれば独学と通学の中間の通信を選ぶのもアリだと思います。
独学を実際に経験して分かったメリット
私は独学を選んだことで次のメリットを得ることができました。
通信・通学を受講するとたくさんの嬉しいメリットがあるのは確かです。
ですが私は細かく誰かに教えてもらうのが少し苦手でしたし、会社がなかなかにブラックでしたのでまとまった学習時間が確保できませんでした。
通信・通学よりは自分の都合を優先してアレンジしながら勉強をしていく独学のスタイルが自分に合っていました。
講師のフォローが無かったとしても、ネットなどで調べてみることでデメリットをカバーすることで乗り切ることができました。
時間はかかる方法かもしれませんが私にはこの方法が合っていました
独学でどれくらい費用を抑えられたのか(自分の場合)
私が実際に独学で支出した費用と通信・通学とそれぞれ比較しました。
通学の場合に比べて12万円費用を節約できた
自分の支出と通信・通学を比較してみました。
通信はフォーサイト、通学はTACと比較をしています。
独学と通信では23,650円と75,840円の差額52,190円節約でき、独学と通学では23,650円と149,600円の差額125,950円節約できたことになります。
費用を大きく節約できるというメリットは重要ポイントであることは言うまでもないと思います。
私が実際に購入したテキストと問題集は以下の記事で紹介しています。
用意すべき教材・ツール
行政書士の教材にはさまざまな種類のものがあって混乱してしまうと思いますが、学習開始から試験日までに必要になるものをまとめると以下となります。
メイン教材である基本テキスト、問題集、六法と試験対策用の模試、過去試験があれば受験準備ができます。
色々揃えたくなってしまうかもしれませんが、独学は自分に合った教材を何度も繰り返し反復することが大事です
基本テキスト、問題集でどうしても分からない内容があればその分野に絞った教材やツールを活用していくのがオススメです。
必須!メイン教材(基本テキスト、問題集、六法)のオススメ
基本テキスト、問題集、六法を正しいものを選びしっかり反復して理解すればそれだけで十分合格ラインが狙える内容になっています。
教材を揃える時のポイントは3つあります
- 基本テキストと問題集は同じ出版社のものを使用する
- 内容はもちろん、見やすさ・図解・補足が分かりやすいものにする
- 六法は基本テキストに付属のものがあれば基本買わなくてOK!
基本テキストと問題集は同じ出版社のものを使用する
基本テキストと問題集は別々に検討せず、まとめて同じ出版社のものにするのがいいでしょう。
テキストと問題集の内容がリンクしていたり、学習の順番や表現などがテキストと問題集で統一されている方がストレス少なく学習できます。
内容はもちろん、見やすさ・図解・補足が分かりやすいものにする
独学は1,000時間近くテキストと問題集に向き合うことになります。
分かりやすい内容であることは大前提ですが、できるだけビジュアルが分かりやすいことと飽きない工夫がしっかりしているものを選ぶのをオススメします。
感覚的な部分かもしれませんが長く継続して勉強を続けるために大事なポイントです
六法は基本テキストに付属のものがあれば基本買わなくてもOK!
行政書士試験は六法で条文を押さえながらの学習が必要になってきます。
六法については基本テキストに六法が付属でついてくる場合は新たに購入する必要はありません。
膨大な六法の中から出題範囲のものを抜粋してくれてますのでそれで基本OKです
オススメ①:伊藤塾「うかる!行政書士 総合テキスト」&「うかる!行政書士 総合問題集」
伊藤塾のうかる!シリーズは実際に私が使用していて信頼を置いているテキストと問題集になります。
大変お世話になった参考書であり、途中で変えることもなく最後まで使用し続けられました
オススメ②:早稲田経営出版「合格革命 行政書士 基本テキスト」&「合格革命 行政書士 肢別過去問集」
合格革命シリーズは利用している人も多い参考書として有名です。
私自身このテキストと伊藤塾とで迷いました。
継続する&飽きない工夫が随所に散りばめられていて、独学の相棒として大いにアリな参考書だと思います
本格的なテキストを読むのに抵抗がある人は最初の一冊目として入門テキストもオススメ
いきなり本格的なテキストに抵抗のある人は、入門テキストを読むと各分野の外観と重要論点を大まかに掴めるのでオススメです。
法律が苦手な人やはじめての人はベース知識を付ける意味でも読んでおくと理解がスムーズになるでしょう
必須!試験対策(模試、過去試験)のオススメ
行政書士試験が近づいてくると試験対策が必要になってきます。
通学・通信の場合はフォローがありますが、独学の場合はそのまま何もしないといきなり試験に突入することになります。
試験対策がある無しで同じ知識量でも当日の点数が全然変わってきます
- 解く順番・時間配分を本番に向けて調整するため
- 試験は3時間にも及ぶため集中力をコントロールできるようにしておくため
- 人がいる状態で問題を解くことに慣れておくため
普段ひとりで黙々と勉強をしている環境とは違い、本番の試験は人に囲まれながら3時間の試験に臨むことになります。
あらかじめ試験の感覚に慣れておき当日は粛々と回答できるようにするためにも試験対策は必須です。
会場受験できる模試の日程一覧は以下の記事でどこよりも詳細に記載しています。
模試:LEC「全日本行政書士公開模試」「厳選!直前ヤマ当て模試」がオススメ
行政書士の模試ならLEC東京リーガルマインドの模試がオススメです。
模試の種類も豊富で独学の人でも会場受験ができますので本番の感覚に慣れるのに適しています。
中でも次の2つは私も実際に会場受験してみて良かったと感じたオススメの模試です
全日本行政書士公開模試の解説は横溝先生(LEC講師紹介ページへ)が担当されています。
「以外とこの部分って重要なんだ!」「この判例って知らなかった!」など個人的に気づきが多かった先生でした
ひとつ注意点があるとすれば本番レベルとのことですが、私の受験時は実際の試験と比べると少しやさしい設定でした。
あくまで模試なので本番とは異なる難易度である点は留意しておいた方がいいでしょう。
過去試験:ネットで無料で公開されているものでOK
過去6年分の過去試験とその解答は行政書士試験センターから見ることができます。
行政書士試験センターでは解説が無いので、オススメは解説付きの「行政書士試験!合格道場」で無料で見ることができます。
また、試験の解説についてはLEC東京リーガルマインドのチャンネルで解説されていますので参考にすると復習がはかどります。
サブ教材は必要になったときに購入するのがオススメ
サブテキストとサブ問題集は個別の分野に特化した参考書のことです。
メインのテキストと問題集で苦手な分野や補強したい分野が出てきたときに必要であれば購入すると良いでしょう。
サブを購入した結果、メインのテキストと問題集の学習が中途半端にならないよう注意です。
あくまでサブなので必要が出てきた時に検討する温度感でよいと思います
私は民法改正の解説テキストと記述対策の問題集を購入しました。
・民法改正解説テキスト
過去問を解く時に改正前の内容があると混乱するためテキストを参照しながら正しい知識を習得するため
・記述対策問題集
総合問題集を繰り返し反復するだけではコツが掴めず数をこなしたいと思ったため
補助ツールの紹介(YouTube、アプリ)
補助ツールは苦手な分野の解説を見ることができたりスキマ時間を有意義に使うことができる便利なツールです。
- テキストで分からない部分を解決するために役立つ
- 移動やちょっとした時間も有効活用できる
- テキストが重くて持ち運べないときに便利
独学をされている人の中ではYouTubeの「行政書士独学応援」や「ゆーき大学」を利用している人が多い印象です。
私も合格後に拝見し、計画的に使用すると学習効率が上がる素晴らしいコンテンツだと思いました。
私は同じ教材を何度も復習するという学習計画を立てていたので補助ツールを使用しませんでした
分からない部分があればピンポイントでネット検索し、スキマ時間はテキストか六法を読み込みしていました。
これらの補助ツールは有効活用すると独学の助けになりますので、必要に応じてサブ的に利用するのがいいでしょう。
スケジュール・学習計画の立て方
行政書士試験を独学で目指す場合最低1,000時間はかかる計算でスケジュールを組むのをオススメします。
「独学500時間で合格」「4か月で独学合格」という短い学習で合格した体験記や動画が出ていますが全体の中でも一部だと捉える方がいいでしょう。
学習が得意な人やストイックに短期集中できる人なら可能かもしれませんが、それがベースになるとどうしてもしんどい計画になってしまいます。
私のような通常の人が独学で挑む場合、合格ラインに届くのに1,000時間程度かかると思っておいた方がいいでしょう。
学習計画が遅れることも見越して余裕を持ったスケジュールにするのがオススメです
1,000時間学習する計算で1年前の11月からスタートする場合は1日2.5~3時間、1週間で19時間程度の学習が必要な計算になります。
開始月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
1日あたり | 2.5~3 | 3 | 3~3.5 | 3.5~4 | 4~4.5 | 4.5~5 |
1週間あたり | 19 | 21 | 23 | 26 | 29 | 33 |
1か月あたり | 83 | 91 | 100 | 111 | 125 | 143 |
この学習時間をできる限り守りながら、テキスト・問題集・模試&過去試験の学習を組み合わせ、試験当日に実力のピークを持っていくような学習計画を立てましょう。
勉強期間1年とした場合の学習計画は次が理想的です
インプット期
この時期はテキストをまずは1周通して読んで外観と重要論点を大まかに理解するのがいいでしょう。
全部を理解する必要はなくまずは通して学習することを優先することをオススメします。
分からない部分も問題を反復すると理解できるようになっていきます
アウトプット期
問題集を繰り返し解く時期で、何周も問題集を繰り返しつつ間違えた問題はテキストを見返して復習するのがいいでしょう。
無理は禁物ですが受験時までに問題集を10周できるのが理想的です。
不安な問題、間違えた問題をチェックしておき、次の周回ではチェックした問題を解くことで1周にかかる時間は減っていきます
応用・実践期
問題集の周回は続けつつも、試験を見据えて模試や受験対策をしていく時期です。
加えて総合的な知識が無いと回答できない記述や、試験直前に学習して頭に入れておきたい一般知識はこの時期に学習するのがおすすめです。
もっと詳しい内容については以下で解説しています
効率的な学習方法
行政書士試験は範囲が広いのでまんべんなく勉強すると1年の勉強期間をかけたとしても合格ラインに届かない可能性が高いです。
全分野で平均的に得点を取り合格するというのは理想的ですが現実的ではありません
例えば基礎法学や商法・会社法は配点が低い割にやや範囲が広いです。
一方、行政法や民法は範囲は広いですがその分学習すれば得点に結びつきやすい分野と言えます。
メインの出題範囲の行政法・会社法を中心に学習を進めると効率的に高得点を狙うことができます。
基礎知識も配点が大きいけど後回しにしていいの?
いわゆる時事・常識・文章理解で学習が点数になりにくい分野なので他の分野をまずは優先する方がいいでしょう
ただし令和6年度から基礎知識に新たに行政書士法が範囲に仲間入りしている点には留意が必要です。
最小の労力で高得点を狙うためには以下の戦略がオススメです。
- 行政法>民法>憲法の優先順で重点的に学習する
- 試験直前の1~3か月で一般知識を学習する
※足きりがあるので注意 - 試験直前の1~3か月で商法・会社法、基礎法学の重要論点のみざっくり学習する
※間に合わなければ最悪学習しない
行政法と民法と一般知識で合格ラインをほぼ埋めてしまい残りを憲法その他で狙っていくのがコスパの良い戦略です。
時間の確保のアイディア
独学で勉強するには試験日までに1,000時間程度の学習時間を確保する必要があります。
1年で1,000時間を確保するには1日平均2.5~3時間程度確保しなければいけません。
この時間を確保できなければ不合格のリスクが高まり、試験日を迎える前に挫折してしまう原因になります。
そうは言っても普段からそんなに時間なんて余っていないわ
仕事が忙しい、家のことが忙しいという人は1,000時間と聞くと無理だとあきらめてしまう人も多いと思います
しかし行政書士に本気でチャレンジしたい場合、このネックな部分を何とかするほかありません。
以下は実際の私の1日のタイムスケジュールです、スキマ時間をできるだけ活用するように意識していました。
時間確保のアイディア集
独学の良い点は場所の縛りもなくわずかな時間でも学習に充てやすい勉強スタイルです。
以下の中から取り組み可能なものをピックアップし、2.5~3時間合計で確保できるかイメージしてみてください。
- 通勤・休憩のスキマ時間を利用する
- スマホ操作時間や動画・漫画などを見ている時間を見直し削れるだけ削る
- 少し早く起床し勉強の時間に充てる
- 仕事が終わったらまっすぐ帰る or 勉強できる場所に立ち寄る
- 余暇のうち削れるものを洗い出してみる
- 習い事などの活動は一時的に中止する
- 出社日に不足する勉強時間を休日で確保する
大変かもしれませんが1年限定だと思って時間確保に取り組んでみてください。
以下の記事でもっと具体的に解説しています
やる気が出ない時の対処法
独学の一番の大敵は「モチベーションの維持」です。
毎日孤独に勉強を続けていると必ずと言っていいほどモチベーションが低下してきます。
マラソンをしている時にゴールまでの距離が辛く感じてしまい嫌気がさしてしまう感覚に近いです。
行政書士の学習は長く続きますのでモチベーションの低下は多かれ少なかれ避けられません。
勉強を継続できる自信が無いから独学を迷ってしまうわ
やる気を継続できなければそもそも受験にたどり着けない可能性さえあります
私自身モチベーションを持続できない典型例のような人間だったので、モチベーションの維持にいつも四苦八苦していました。
この独学の最大のデメリットに苦戦した分、他の人よりモチベーションの維持を真剣に取り組みました。
モチベーションが維持できると自然と学習計画に沿った勉強が進んでいきます
実力は直前期に一気に伸びていきます、しんどい時期を無事に乗り越えることが合格のカギです。
このしんどい時期をうまくコントロールできれば合格がぐっと近づいてきます。
モチベーション維持のアイディア集
モチベーション維持にはたくさんの方法があります。
一度モチベーションが下がったとしても勉強を投げ出さずに、色んな手法を試して学習継続に役立ててください。
- そもそもモチベーションにムラを作らない
- モチベーションは下がるものだとあらかじめ理解しておく
- 合格した姿を想像して落ちたモチベーションを取り戻す
- 小さな目標をたくさん作る
- 誘惑になるものから離れる
- 勉強の過程を記録してみる
- 学習を始めたきっかけを思い出す
- ポモドーロ勉強法を導入してみる
- レールから一度外れてもいいような学習計画を組んでおく
- 少し休息を挟む
- 試験の優先順位を上げる
- 自習アプリを有効に活用してみる
- 勉強の環境を変えてみる
モチベーションが下がるのは自然なことです、そこをうまくコントロールすると勉強の進捗も劇的に変わってきます。
自分の体験記
行政書士試験を独学で目指したきっかけ
ここまで偉そうにいろいろと書いてきましたが、私の行政書士受験は最初から順調に進んでいたわけではありませんでした。
そもそも最初に行政書士を目指したきっかけは「法律系国家資格」の名前の魅力にひかれて何となく始めてました。
どうしても合格したいんだ!という強い思いも無かったので、当たり前ですがダラダラと勉強していました。
資格が欲しいと漠然と思っていた時期でした
肝心の行政書士が何ができる資格なのかよく分かっていなかったのです。
ある時ちゃんと調べてみよう!と思い立ち自分なりに行政書士そのものについて調べてみたところ衝撃を受けました。
「町の法律家」として多種多様な許認可の中から得意な専門分野を見つけて業務を行い、さらに社労士・税理士・弁護士など他士業ともタッグを組んで仕事をできると知りました。
その仕事内容に面白そうだと思ったのと同時に、「この資格に必ず合格したい!」そう思った瞬間でした。
そもそも法律系国家資格を欲しいと決意したのも自分を変えたいと思ったことがきっかけだったことを思い出したのです。
合格までには紆余曲折
モチベーションも出たことだし行政書士一筋で頑張るぞ!となれば良かったのですが、ここでも迷走してしまいます。
ある時こんなことを思ったのです。
行政書士と宅建士って結構試験範囲被ってるなぁ
あろうことか宅建士のテキストをおもむろに購入して読みだしてしまったのです。
その時点で行政書士を多少勉強していたので、「頑張って宅建士と行政書士を両方合格しよう!」という謎のマインドになってしまったのです。
そして迎えた宅建士と行政書士試験。
宅建士は一発合格を果たす一方で、行政書士は最後のツメが間に合わず154点で不合格の結果になりました。
宅建士受かったのは嬉しいけどめっちゃ迷走してる
そこから学習計画を見直しわき目も振らず次で必ず合格すると誓いました。
次の試験では学習計画に沿ってしっかり対策を行い無事合格しました。
合格を聞いた会社の人たちや周囲からおめでとうというたくさんのお言葉をいただくとともに、自分は「8士業」のひとつを手に入れたんだなと実感しました。
このブログで書くことはそんな私の体験から良かったことや経験したからこそ分かる「あの時こうすればもっと近道できた」ということを存分につづろうと思っています。
行政書士の魅力
弁護士や税理士、公認会計士など普段生活する中でよく聞く士業と違い行政書士は何をしているのか実はよく分からないという人が多数だと思います。
資格名で何となくいいなと思ったけど実際の働き方や何ができるのかは詳しく知らないのよね
行政書士を知ればモチベーションの向上につながりますし、実は想像と違ったといったミスマッチを防ぐことにつながります
- 官公署への許認可申請書の作成・提出が可能、その数は1万を超えるとも
- 許認可以外も遺産分割協議書・各種契約書など権利・義務に関する書類の作成・代理・相談業務
※他の法律で制限されていない業務以外
官公署への許認可業務を広く行えるのは私も学習前に何となくは知っていました。
ただその許認可も飲食店や産業廃棄物収集運搬業の営業許可から、外国人在留・帰化など多種多様なものがあります。
その他にもドローンの無許可の飛行が社会問題になって以降、許可制度が詳細に規定されるなど日々時代に合わせて新しくなってきています。
また、官公署への許認可以外にも売買契約書や内容証明などの権利・義務に関する書類の作成・代理・相談も行うことができます。
専任の独占業務がある士業も魅力的ですが、地域や時代に合わせて必要とされる許認可を取り扱えるのは行政書士ならではでしょう
- 個人で事務所を開業
- 行政書士同士、他士業同士で共同事務所で開業
- 行政書士事務所、行政書士法人で勤務行政書士として従事
個人でコツコツ頑張る方法や数人で協力体制を取ったり、小規模の会社のような形態で勤務することもできます。
働き方の幅も広いので自分に合ったものを選ぶことも行政書士の魅力と言えます。
行政書士の受験を目指すにあたって行政書士の働き方を知ってみると魅力が増し、やる気につながると私は思っています。
行政書士の魅力については以下の本を読むと具体的にイメージが膨らみますのでオススメです。
普通の書店にはなかなか置いてないのでネットで購入するのをオススメします
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
行政書士を独学合格するのは難しいとネットを検索すると良く出てきますが、あまり惑わされ過ぎる必要はないかと思います。
予備校や通信教育はビジネス的にも「だれかに教わった方がいい」と言うものですし、「行政書士に合格したら次は司法書士」など新たな資格をすすめてきます。
自分にとって一番メリットのある勉強方法が独学なのであれば独学で頑張るのがいいと思います。
自分であれこれ決めて頑張って合格できたら自分の大きな自信にもなりますし、私はオススメの勉強法です。
この記事を読んでくださった方が少しでも独学に前向きになったらいいなと思っています。