【疑問解決】行政書士の独学合格は無理なの?独学経験者が徹底解説
- 行政書士試験に独学で挑むか迷っている
- 独学合格は実際無理なのか知りたい
- 実際に独学で合格した人の情報・経験談を知りたい
行政書士試験を受験したいと思った時に独学で頑張りたい人は多いですよね。
独学で気になるのは何といっても「そもそも独学で合格できるのか?」ということだと思います。
私は法律全般まったくの初心者の状態で独学を始めて行政書士試験に合格しました。
行政書士を独学合格するのは難しいとネットを検索すると良く出てきますが惑わされる必要はありません。
私は特別頭がいいわけでもありませんし怠けがちな性格ですがちゃんと独学で合格できました
法律の基礎があるわけでもなく会社に通いながらでも合格した自分から見た独学合格の可能性を解説します。
この記事を読めば「結局のところ独学合格できるの?」という疑問に終止符を打つことができます。
私の経験を交えて徹底解説しますので、独学合格を目指す方はぜひ見てみてください。
- 行政書士試験は独学でも合格可能なレベル
- 独学ならではのデメリットも基本は何とかなる
- 独学という勉強スタイル自体が苦手な人は他の学習方法を検討すべき
くろまる
Profile
30代男性サラリーマン
まったくの法律初学者の状態から独学で行政書士試験に合格しました。
勉強は苦手でも仕組化して何とか粘って頑張るタイプです。
保有資格(試験合格含む)
▶行政書士試験合格
▶宅地建物取引士試験合格
▶日商簿記検定2級
▶ビジネス実務法務検定2級
- 行政書士試験合格証を見る
合格率の低さ=独学だと無理という訳ではない
行政書士試験の合格率はおおよそ10~13%となっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
令和4年度 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
令和3年度 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
令和2年度 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
令和元年度 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
行行政書士とよく比較される宅建士の場合は合格率が約17%程度となっていますので、比較的難易度は高いと言えます。
また宅建士の場合は不動産関連の会社では取得を推奨されているので、社員をまとめて受けさせている場合があるなど本気度があまり高くない人も一定数います。
宅建士は合格ラインに届かない多くの人が受験しての合格率17%なので、行政書士との難易度の差は数字以上に大きいと考えられます。
やっぱり行政書士って難しいから誰かに教えてもらった方がいいんじゃない?
合格率のみ見るとそのように感じるかもしれませんが、独学でも合格ラインを狙うことができます
それは行政書士試験の問題の性質的に独学でも対応しやすいレベルだったり、独学のメリットを活かしやすい資格だからです。
- 平凡&初学者の私でも努力次第で合格できたから
- 教えてもらわないと理解できないレベルの内容は想像ほど多くはないから
- 市販のテキストや問題集でしっかり合格点を狙える内容になっているから
- 独学だからこそのメリットがあるから
- 通学・通信講座でも自分で学習する習慣がないと結局合格できないから
独学でも合格可能な理由5選
平凡&初学者の私でも努力次第で合格できたから
特別なところのない私でも独学で合格できたことが一番の理由です。
YouTubeやネット検索すると独学合格した人のエピソードが出てきます。
「4か月で一発合格!」「500時間で独学合格!」など輝かしいエピソードがあり注目を集めています。
その人たちの多くは社労士などの難関資格をすでに持っている人や司法書士などの上位資格を目指している人などそもそものレベルが高い人が多い印象を受けます。
それは独学でも合格できますよね、という特別な人が多いと思います。
私が行政書士を目指した時はずいぶん前に取得した簿記2級くらいしかありませんでした
私は経理マンなので簿記2級を持っている人は多く特に珍しくもありません。
法律について全く知らないのにも関わらず「仕事が忙しいし通学で拘束もされたくないしお金もかけたくない!」という思いだけで独学を選択しました。
学習内容は簡単では無いのは確かですがテキストと問題集をスキマ時間を使いながらコツコツ勉強しました。
挫折を避け脱落しなければ少しずつ合格に近づきます
結果、最後まで独学で取り組み合格することができました。
特別な能力や法律の基礎もない自分でも投げ出さなければ合格できる資格なのだなと実感しました。
独学という勉強スタイルだから合格できないということは無く、独学でもモチベーションを保つ工夫や学習計画をしっかり整えれば合格は十分狙えると私の経験上から感じています。
教えてもらわないと理解できないレベルの内容は想像ほど多くはないから
他の難関国家資格に比べても根気強く勉強を続けることができれば独学でも合格ラインに届く可能性が高いと思います。
私は行政書士試験合格後に社会保険労務士の勉強を独学で挑みましたが挫折しました。
あまりにも細かく高度な労働・保険関係の法律知識を要求され、どこに強弱を入れていいか分からなかったのです。
行政書士試験は細かく専門的な法律知識を要求されるというよりは、広く一般的な法律知識を問われるので独学でも挑める内容だと感じています。
配点比率の高い行政法と民法も、行政法は行政全般に通じる法律ですし民法も世間一般に通じる法律です
その背景として行政書士は「まちの法律家」と呼ばれるように広い範囲の許認可を代理申請できる性質上、対象の法律範囲も広くなっているのが要因と言えます。
専門知識を要求されればされるほど複雑で難易度は上がりやすく、誰かに指導してもらわないと理解できません。
社労士が狭く深くなら行政書士は広く浅くといった学習になるので、外観を理解すれば解答できるケースも多く独学でも何とかなりやすいと言えます。
市販のテキストや問題集でしっかり合格点を狙える内容になっているから
通信・通学で高い受講費用を支払わずに数千円の市販のテキストで合格できるか不安な人もいると思います。
近くの書店でも売っているテキストで合格を狙えるのかしら
市販のテキストだけで問題なく合格ラインに届く内容になっています
私は基本テキストと問題集をメインで1冊ずつ購入し、それをひたすら何周も反復して合格ラインにたどり着きました。
基本テキスト1冊であれば4千円もしないで購入できますが、フルカラー印刷だったりイラストや注釈も工夫が凝らしていて独学の継続を後押ししてくれます。
次は私のおすすめ教材です。
オススメ①:伊藤塾「うかる!行政書士 総合テキスト」&「うかる!行政書士 総合問題集」
伊藤塾のうかる!シリーズは実際に私が使用していて信頼を置いているテキストと問題集になります。
大変お世話になった参考書であり、途中で変えることもなく最後まで使用し続けられました
オススメ②:早稲田経営出版「合格革命 行政書士 基本テキスト」&「合格革命 行政書士 基本問題集」
合格革命シリーズは利用している人も多い参考書として有名です。
私自身このテキストと伊藤塾とで迷いました。
継続する&飽きない工夫が随所に散りばめられていて、独学の相棒として大いにアリな参考書だと思います
独学だからこそのメリットがあるから
独学には通信・通学にも負けないメリットがあります。
費用を抑えられるだけが独学のメリットではなく独学だからこそ得られるメリットがあります。
- 自ら学ぶから一度覚えたらなかなか忘れない
- 自分のやり方・ペースで学習できるから無駄がない
通信・通学は丁寧な指導を受けることができる反面、話を聞いただけではなかなか定着できず別に時間を作って自ら復習しないといけません。
その反面独学は最初から自分で学習していくので理解するのに時間はかかりますが定着は早く、一度覚えるとなかなか忘れません。
これはどういう意味だろう?何が大事なんだろう?と考えながら学習するので忘れにくいです
また独学は自分のやり方やペースを自由に決定できます。
通信・通学はカリキュラムに沿った受講をした後に復習することがワンセットになります。
つまり通学したり教材を開きながら動画視聴するなどまとまった時間と環境が必要になります。
対して独学は忙しい人でも自ら決めたスケジュールに沿って、スキマ時間でもできる方法でコツコツ学習を進めて、まとまった時間で一気に勉強できるといった自由度があります。
通信・通学のスタイルで学習ができない人でも自分に合ったやり方ができるのが独学のメリットです。
通学・通信講座でも自分で学習する習慣がないと結局合格できないから
独学だと合格は無理で通信や通学だと合格可能といった考え方もありますが、そもそも合格するには「自分が頑張ること」以外にありません。
通学・通信は講師に解説してもらったとしてもそれはインプットの手助けであって、自分のものにするためには復習とアウトプットが欠かせません。
どの学習方法を選んでも最終的には自分次第です
独学でも通学でも通信のどれであったとしても復習やアウトプットを繰り返すことができれば自分のものになり、その積み重ねで合格ラインに届くようになると思います。
独学ならではのデメリットも大抵は何とかなる
独学でも合格可能であるということはここまでお伝えしましたが、独学だからこそ感じるデメリットも確かにあります。
- 分からない時に誰にも教えてもらえない
- 重要論点や頻出箇所を教えてもらえない
- モチベーションが続かない
結局全部自分ひとりだから続かないし挫折しやすいと思うのよね
独学のデメリットも工夫次第で案外何とかなります
分からないことはYouTubeやネットで検索できる
分からないことを解説してくれるのは通学や通信だけではありません。
YouTubeひとつとっても質の高い解説を無料で見ることができます。
私の場合はネット検索を行い大抵の疑問は解消できました。
もしそれでも分からなければ「これは後回し!」ということで、飛ばして学習を進めました。
時間が経って法律知識がどんどんついていけば最初は分からなくても次第に理解できるようになっていきます
重要論点や頻出箇所はテキストと問題集で押さえられる
通信・通学は講師が重要論点や頻出箇所を絞って丁寧に指導してくれます。
これは通信・通学の良いメリットで重要な部分に絞って勉強時間を使うことができます。
独学ではこれができないかと言うと実はそうでもないのです
デキストと問題集でも重要論点や頻出事項が「重要度A」「ぱっと見ただけで分かるようになっていますので、最初から強弱を付けて学習することができます。
」などまたテキストというと解説が延々と続くイメージがあると思いますが、出題傾向から勉強方法の進め方まで実はかなり詳しく書いてくれています。
以下は伊藤塾の基本テキストの憲法の部分の抜粋ですが学習前に大事な部分を丁寧に教えてくれています。
(前略)憲法の重要判例は、結論だけでなく、なぜそういう判断を最高裁判所がしたのかということまで記憶をしていかなければなりませんが、最初からこのレベルの勉強をすることは難しいです。(中略)最初はわからないことは後回しにして先に進むことを意識するとよいでしょう。(中略)試験対策上は、あくまでも憲法は行政法や民法の補完科目であるという考えを持っていても構いません。
伊藤塾 編『うかる! 行政書士 総合テキスト 2024年度版』日本経済新聞出版,P.34
Amazonのサンプルページのガイダンスを見てみてください、かなり詳しく解説されています
モチベーションの低下も工夫で乗り切れることが多い
独学の最大のメリットと言えば強制力がないのでやる気を維持しづらいという点です。
お尻を叩いてくれる講師もいないので全て自分次第な上に、学習を進めても進めても内容がよく分からない時期が続くことが原因だと思います。
実力の伸びは理想的な伸び方を最初はしてくれません、ある時から一気に伸びていきます
最初の時期はどうしてもしんどい時期が続いてしまいますが、これも最初から分かっていれば対策することができます。
モチベーション維持にはたくさんの方法があるので工夫次第でカバーできます。
- そもそもモチベーションにムラを作らない
- モチベーションは下がるものだとあらかじめ理解しておく
- 合格した姿を想像して落ちたモチベーションを取り戻す
- 小さな目標をたくさん作る
- 誘惑になるものから離れる
- 勉強の過程を記録してみる
- 学習を始めたきっかけを思い出す
- ポモドーロ勉強法を導入してみる
- レールから一度外れてもいいような学習計画を組んでおく
- 少し休息を挟む
- 試験の優先順位を上げる
- 自習アプリを有効に活用してみる
- 勉強の環境を変えてみる
独学がどうしても苦手な人は他の学習方法がオススメ
独学でも行政書士試験の突破は可能ですがそれはあくまで独学で頑張ることができる人の場合です。
独学という勉強スタイルが自分に合っていないのにも関わらず独学で勉強を開始することはリスクです。
無理して独学を頑張ったのに途中で挫折してしまう可能性もあり、時間とコストを失ってしまいかねません。
学習方法の選択ミスが原因で合否を分ける可能性もあります
独学で合格は可能だけど自分には合っていないと思う方は通信・通学など別の方法を検討することをオススメします。
- 勉強にお金を掛けられる人
- 誰かに強制してもらわないと勉強できない人
- 一緒に頑張る仲間が欲しい人
- 自分で学習計画を立てたり、あれこれ調べるのが苦手な人
- 少しでも学習時間を抑えたい人
誰かにきめ細かくサポートしてもらいたいという人は通信・通学を、自分で自由にアレンジしながら合格を目指したい人は独学を選ぶといいと思います。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
行政書士は独学でも十分合格を目指すことができます。
ごくごく普通の法律知識のまったくない私でも投げ出さなければ合格できました。
通信・通学をビジネスにする会社は「難しいので誰かに教えてもらった方がいい」と言うのは当然ですし説得力も確かにあります。
でも全ての人が通信・通学が合うかというとそうでもないと私は思っています。
お金はかけたくないし、誰かに細かく教えてもらうよりは自分で勉強して分からないところだけ知りたい、あるいは忙しくてまとまった時間が取れないなど様々な人がいると思います。
まずはじめの選択肢から独学を外さずに、自分でもできるかどうかを吟味する方がいいです。
行政書士の勉強には1,000時間程度の時間が必要になります。
学習の途中で「この学習方法は自分に合わなかった!」となるとそれまでの時間とコストがもったいないです。
この記事が独学検討のお役に立てれば幸いです。